大人になってからピアノを習い始めたいけど、何歳までなら始められるのか年齢が気になっていませんか?子どもよりも上達しにくいから年齢制限や上限の目安があるのでは?と思っている人もいるかもしれません。そこで今回は、大人向けにピアノを習い始める年齢について解説します。
ピアノを始めるのに年齢は関係ない理由
結論から言ってしまうと、ピアノを習い始めるのに年齢は関係ありません。運動のように足腰を使う必要がなく、元気であれば80代に入ってからでも始められます。新しいことは何歳になっても始めることができ、未経験のことにチャレンジするほど人は若々しくなっていきます。
一方、昔から知っていることやできることだけに取り組むと、脳は次第に老化していく傾向があります。これは脳内のドーパミンが刺激を受けたときに分泌される仕組みだからです。
憧れていた曲を自分でピアノ演奏できる ようになることは大きな喜びにつながり、達成感や充実感を人生にもたらしてくれます。ピアノを習い始めることは心や体を健康にしてくれるので、50代、60代、70代、80代のシニア層にとってはエイジングケアにもなります。
ピアノを始めたいけど年齢が気になっているという人は、ぜひ年を気にすることなく始めたいと思ったときにチャレンジしてみてください。
大人からピアノを始めるメリット
ピアノの習い事というと大人よりも子どものときに始めた方がメリットが大きいと思っていませんか?実は大人から始めることで次のようなメリット・効果が期待できます。
知識を増やす喜びがある
ピアノの練習をするときはピアノの弾き方や指の動かし方、記号や付箋などの基礎知識を勉強します。知識を少しずつ増やすことで自分の世界を広げることができ、いくつになっても学ぶ喜びや自己成長を実感できます。
また、楽譜通りに機械的に演奏するのではなく、挑戦している曲の時代背景や作曲家の生い立ちについて調べることで曲の表現にも幅が生まれます。最近はインターネットで何でも調べられるので、曲の時代背景や作曲家の生い立ちはすぐに分かります。
例えばショパンの「別れの曲」は別れをイメージさせる悲しい曲というイメージがあるかもしれませんが、このタイトルは実はショパンがつけたものではありません。
正式名称は「練習曲作品10-3」です。1934年に公開されたドイツ映画『別れの曲』に使用されていたことから、日本では「別れの曲」という名前で親しまれています。ショパンはこの曲をポーランドへの愛情をこめて作曲したと言われており、
「一生のうち二度とこんなに美しい旋律を見つけることはできないだろう」
とも言っています。こうした知識を習得し、弾くときの参考にすることで、子どもでは理解しきれなかった部分を見事に表現することができるのです。
手を動かすことで脳を活性化
ピアノは10分に指を動かすことで脳を活性化することができます。小指や薬指など日常生活では使う頻度の少ない指を使ったり、右手と左手で違う動きをしたりすることで脳に刺激が伝わります。
脳の前頭前野が刺激を受けると、集中力や記憶力がアップし、脳の働きが高まります。指先を常日頃使っているピアニストや画家は認知症になりにくく、長命の人も多いのはそのためです。
人は年を重ねると、さまざまな老化現象がみられるようになりますが、ピアノで指を動かし脳を刺激し続けることでボケ防止に役立ちます。
いくら子どものときにピアノを習っていたからと言って、脳の老化を止めることはできません。いつまでも若々しく、はつらつと過ごすために、大人になった今こそピアノを弾き始めましょう。
自分の経験を重ねることで演奏に深みが増す
楽器演奏は、曲に自分の経験を重ねることでその人オリジナルの味わい深い表現になります。例えば、谷村新司作曲の「いい日旅たち」は山口百恵の代表曲で、日本の歌百選にも選ばれた名曲です。
哀愁を漂わせた曲なので、この曲を聞くと「若いときの別れた恋人を思い出す」「駅で見送った旧友の表情が目に浮かぶ」など人それぞれ頭の中に浮かぶ情景が違うのではないでしょうか。
現在でも卒業式や結婚式の祝いの席で歌われることが多く、若い世代でも昔のことをなつかしく思い出すことがあるでしょう。
楽譜通りに弾くとどうしても単調に聞こえてしまいがちですが、自分の体験を曲に重ねることで悲しさ、わびしさ、切なさ、楽しさなどを自由に表現することができます。聞いている人の心に訴えかけるしみじみとした演奏になる、というのが大人からピアノを始めた人の強みです。
まとめ
ピアノは大人になってからでも始めることができます。年齢制限や上限の目安などもないので、興味を持ったときに始めるのがおすすめです。大人になってからピアノを始めると成長できる喜び、脳の活性化、演奏に深みが増すなどさまざまなメリットがあります。ぜひ1曲マスターして、家族や友人の前で堂々と演奏できるようになってください。
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